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培養成績報告会
当院では毎年7月には上半期の、また翌年1月には前年通年の臨床成績報告会を開催しています。また、毎月第2金曜日には医師と培養士による前月分の月間報告会を開催しています。この度、2021年7月分の成績をまとめてみて改めて感じたことですが、培養環境(インキュベーター)をドライ環境から従来の加湿環境に戻し、とても培養成績が改善されました。受精率はcIVFで87.0%(PN check時点での未熟卵は含めない)、ICSIで79.2%でした。また、正常受精卵当たりの胚盤胞到達率はcIVF、ICSI周期共に75.0%、良好胚盤胞率(3AB, 3BA以上)は45.6%でした。
他施設からの報告もありますが、当院でもドライ環境と加湿環境とで受精卵を半分ずつ分けて培養したところ、やはり加湿の方がやや優れているような結果を得ています。詳しくは当院培養室のblogもご覧ください。
話は変わりますが、
もう何年も前のことになりますが、東京へ赴任してくる前、某生命保険会社に招かれて政治評論家の辛坊治郎氏の講演会を聞きました。今日ではYoutubeなどで無料(藤井厳喜チャンネルなど、より最新かつ価値の高い情報は有料ですが比較的安価)で情報を得ることができますが、当時は本人の生の講演会は貴重でした。当時の、まだ一般人の知らない政治の最新情報や裏話などを拝聴し、彼の高度な話術もあってとても充実した時間を送ることが出来ました。講演の最後にお話しされた彼の名言、「人間は真実を信じる動物ではない。信じたいことを信じる動物だ。」は確かに的を射てる、と今でも思います。
海外の主要な学会では、自分たちの成果を発表しようと思っても内容の審査が厳しく、採択されるのが困難な場合も多々ありますが、日本国内の少なくとも生殖医療領域の学会では倫理的側面以外での審査はほとんどなく、会員であればだれでも発表できるようになっています。逆に言えば、内容が疑わしい、論理的に矛盾があるようなものも含まれているかもしれません。従って発表を聞く側には取捨選択する能力が求められます。「人間は真実を信じる動物ではない。信じたいことを信じる動物だ。」では困ります。
長らく胚培養士の業界にいたものとして最近感じることですが、新社会人として入職したての培養士でなくとも比較的経験の浅いスタッフの立場に立つと、先に述べた学会発表の内容の取捨選択だけでなく、自分の所属施設の媒精方法や培養環境が適正なのか、改善の余地があるのかなかなか判断しづらいと思います。胚盤胞率もこれが普通だろう、最近少し低くなったのは高齢の方が増えてきたから、とどこかあいまいに結論付けないよう、客観的なデータ解析を示しながら培養室内でさらによりよい培養環境を構築していきたいと思っています。
ご縁あって同じ職場で働いている仲間たちとこれからも修行仲間、運命共同体として日々、共に進化していきたいと思っています。
他施設からの報告もありますが、当院でもドライ環境と加湿環境とで受精卵を半分ずつ分けて培養したところ、やはり加湿の方がやや優れているような結果を得ています。詳しくは当院培養室のblogもご覧ください。
話は変わりますが、
もう何年も前のことになりますが、東京へ赴任してくる前、某生命保険会社に招かれて政治評論家の辛坊治郎氏の講演会を聞きました。今日ではYoutubeなどで無料(藤井厳喜チャンネルなど、より最新かつ価値の高い情報は有料ですが比較的安価)で情報を得ることができますが、当時は本人の生の講演会は貴重でした。当時の、まだ一般人の知らない政治の最新情報や裏話などを拝聴し、彼の高度な話術もあってとても充実した時間を送ることが出来ました。講演の最後にお話しされた彼の名言、「人間は真実を信じる動物ではない。信じたいことを信じる動物だ。」は確かに的を射てる、と今でも思います。
海外の主要な学会では、自分たちの成果を発表しようと思っても内容の審査が厳しく、採択されるのが困難な場合も多々ありますが、日本国内の少なくとも生殖医療領域の学会では倫理的側面以外での審査はほとんどなく、会員であればだれでも発表できるようになっています。逆に言えば、内容が疑わしい、論理的に矛盾があるようなものも含まれているかもしれません。従って発表を聞く側には取捨選択する能力が求められます。「人間は真実を信じる動物ではない。信じたいことを信じる動物だ。」では困ります。
長らく胚培養士の業界にいたものとして最近感じることですが、新社会人として入職したての培養士でなくとも比較的経験の浅いスタッフの立場に立つと、先に述べた学会発表の内容の取捨選択だけでなく、自分の所属施設の媒精方法や培養環境が適正なのか、改善の余地があるのかなかなか判断しづらいと思います。胚盤胞率もこれが普通だろう、最近少し低くなったのは高齢の方が増えてきたから、とどこかあいまいに結論付けないよう、客観的なデータ解析を示しながら培養室内でさらによりよい培養環境を構築していきたいと思っています。
ご縁あって同じ職場で働いている仲間たちとこれからも修行仲間、運命共同体として日々、共に進化していきたいと思っています。