ブログ / Diary

採卵後の卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の予防法について

2022年4月よりARTに保険が適用されていますが、その一つに卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の予防目的でカベルゴリン錠(カバサール錠)とレトロゾール錠の服用が対象となっています。 今回両剤でOHSSの予防が充分可能か否か、OHSS発症のリスクが高い67名の患者さんを対象に分析しました。 その結果、 ①67名のうち62名、92.5%がOHSSを予防できました。 ②残り5名、7.5%は軽度のOHSSになりましたが、1~2日間の外来での点滴治療で済みました。 ③...

卵子凍結では成熟卵を何個凍結すればいいの?年齢別で解説!

こんにちは、楠原ウィメンズクリニック培養室です! 卵子凍結を検討されている方 自分の年齢では子供を授かるのにどれくらいの数を凍結する必要があるのか、参考になる文献を見つけたので紹介します。 2017年に出た論文では 例えば34、37、42歳の患者さんでそれぞれ成熟卵母細胞が8個ある場合、胚盤胞は平均で34歳は3個、37歳は2個、42歳は1個であると予測します。 上記を踏まえて、20個の成熟卵母細胞を凍結すると少なくとも1人の...

東京都の高校生等医療費助成制度について

こんにちは、受付です。 日々の寒暖差が大きいですが、いかがお過ごしでしょうか。 「東京都の高校生等医療費助成制度」について簡単にご説明させていただきます。 ①〈助成の対象〉 高校生等に係る医療費について、医療保険(国民健康保険や健康保険など)の自己負担分を助成する制度です。 ②〈対象年齢〉 15歳に達する日の翌日以降の最初の4月1日から18歳に達する日以後の最初の3月31日までです。 高校に在学していない方も...

不妊治療の保険適用について

こんにちは。受付です。 2022年4月から不妊治療が保険適用となり、もうすぐ1年になります。 保険適用開始当初は情報収集が難しく慌ただしく過ごしておりましたが少しずつ落ち着いてきました。 今回は2022年4月から開始した不妊治療の保険適用についてお話をさせていただきます。 以前は不妊原因を明確にするための検査やタイミング周期の薬剤または検査が保険適用となり、人工授精や体外受精また顕微授精などの不妊治療は保険適用外でした...

男性不妊シリーズ(2)

EDについて 1. EDが原因の不妊症カップルは年々増えています。 男性不妊の原因の約40~50%は何らかの精子異常(精子数が少ない・運動率が悪い等)によるものです。 2番目に多い原因は精索静脈瘤で約30%です。 そして3番目に多い原因はEDを中心とする性機能障害です。 しかもその割合は年々増えています。 2. EDによる不妊症治療には2つの方法があります。 ①人工授精法 性交時にEDでもマスターベーションでは精...

男性不妊シリーズ(1)

精子検査について Q1. 精子検査のタイミングはいつが良いか? 2日以上7日以内の禁欲期間の中ではいつでも可能です。 Q2. 具体的な方法を知りたい    ①いつ検査をするかはあらかじめTELにて予約して下さい。前日のTELでもかまいません。 検査時間は原則的には午前中になります。 ②ご予約当日にあらかじめお渡ししてある容器にマスターベーションにて精子を採取して下さい。 容器のふたをしっかり閉めて、ラベルに氏名等記入...

40歳以上の方の体外受精(ART)のための卵巣刺激法のコツ

全国的に高年齢の方のARTの割合が増えています。 2022年の当院の割合は46%でした。 年齢が上がると卵の数が減少し卵巣刺激が困難になりますが、それなりのコツがあります。 ①初期化する:ホルモンを整えてから(月経3日目のFSHが10iu以下)スタートする。 ②mildな刺激が良い:clomid1/2錠あるいは1錠を連日服用し、複数の卵胞径が10mmになったらHMGを追加投与する。 ③AMHが1~1.5なら:clomidを5日間服用し注射FSHを追加し、場合によりan...

特定不妊治療費(先進医療)の助成金制度について

こんにちは。受付です。 まだ寒さの厳しい毎日が続いております。 今回は、「特定不妊治療費(先進医療)の助成金制度」に関する内容を記載します。 東京都では、当該助成事業が2023年1月4日より開始されました。 現在、体外受精・顕微授精を保険診療で受診した際、保険診療内ではカバーされない先進医療に係る費用の一部が助成されます。 通常、保険適用される治療費の7割が保険負担、3割が自己負担です。しかし、保険が適用されない「先...

当院の2022年の体外受精の治療成績について

当院の2022年の体外受精の妊娠の成績を速報します。 40歳未満の方の胚移植あたりの妊娠率は、胚盤胞では51.4%と過去最高の結果でした。 40歳以上の方でも、胚盤胞では32.4%と、悪くありません。 完全に満足できる結果ではありませんが、悪くない結果です。 その詳細については近々ホームページに掲載いたします。

治療再開時のご質問

年が明け、3週間が過ぎようとしています。寒さも深まり「大寒」の暦に合わせるように今週末から週明けにかけ関東でも雪が降るようです。 皆さま、いかがお過ごしですか!?こんにちは、看護部です。 新型コロナの法分類が今春にも第五種へと引き下げ移行方針のニュースがある中、インフルエンザ流行の時期に合わせ、コロナも多くなってますね。 様々な変容に慣れてはきましたが、早く収束してくれないかな・・・と心の声が漏れてしまってます。 ...