ブログ / Diary

遠距離婚あるいは長距離出張が多いご夫婦の為の治療について

ご主人が遠方に住み、奥様が東京に居住するような場合、あるいは長期間ご主人が出張に出る機会が多いご夫婦の場合、妊娠の為の性生活そのものがままなりません。 そのようなご夫婦にはご主人の精子をあらかじめ凍結保存しておき、その凍結精子を使用して人工授精や体外受精をすることができます。 凍結精子を使って体外受精をする場合、受精法は顕微授精(ICSI)になりますが、受精率や胚のレベルは新鮮精子と全く同様です。 先に該当する...

培養室の研究・活動報告 2022年日本受精着床学会総会・学術講演会

こんにちは、楠原ウィメンズクリニック培養室です。 論文執筆中のため、なかなかブログやSNS更新できず、申し訳ありません┏○ペコッ 7月末に東京都新宿にて開催された『日本受精着床学会総会・学術講演会』に参加してきました! 当院からは口演とポスター発表で2演題 ①『ドライインキュベーター内での加湿培養による培養成績の改善』 ②『妊孕性温存療法への胚培養士の関わりに関する全国調査』 を発表いたしました。 ①の...

診療時間の一部延長について

従来、当院の診察受付時間を午後6:30としておりましたが、その時間内では通院しきれないとの声がありました。 その声にお答えして9月より月曜日・金曜日は診察受付時間を午後7:00に延長しましたのでお知らせいたします。

多のう胞性卵巣症候群(PCOS)の排卵誘発にレトロゾール錠が保険で使用できるようになりました。

多のう胞性卵巣症候群(PCOS)は日本の女性の10%前後にあるポピュラーな婦人科疾患の一つです。 症状は生理不順や多毛、不妊症などです。 排卵が起こらない、あるいはたまにしか起こらないことが不妊原因とされます。 この排卵障害にはレトロゾール錠が有効です。欧米ではポピュラーに使用されていますが、日本ではこれまで保険適用外であり、自費で処方されていました。 2022年4月よりこのレトロゾール錠も保険適用になり、治療が楽にな...

培養室の研究・活動報告 2022年日本卵子学会学術集会

こんにちは、楠原ウィメンズクリニック培養室です。 5月に京都にて開催された『日本卵子学会学術集会』に参加してきました! 当院からは口演で『Piezo-ICSIにおける異常破膜によって生じる変性はPVP曝露で回避できる』を発表いたしました。 簡単に概要だけご説明すると、 Piezo-ICSI(顕微授精)は卵母細胞の細胞膜を伸展させ、ピエゾを駆動させて破膜しますが、駆動前に破膜する場合(異常破膜)があります。このような異常破膜はICS...

当院のグレード別妊娠率~胚盤胞期 胚移植~

こんにちは、楠原ウィメンズクリニック培養室です。 先日、患者さんよりAAを戻した場合、妊娠率はどのくらいですか。とご質問を頂いたので、改めて当院のグレード別妊娠率を算出しました!(画像参照) 期間は2021年1月1日~2022年5月31日で算出しております。 グレードは大きく分けて3段階 ・3~6AA ・3~6AB.BA ・3~6BB. AC. BC ※対象期間のCA.CBの移植周期は4件のみでサンプル数が少ないため今回のデータには入れておりません。 ...

サウナは精子に有意な変化をもたらす

こんにちは、楠原ウィメンズクリニック培養室です。 近年流行っているサウナについて言及していきたいと思います。 東京都内でもおしゃれなサウナが続々とオープンしており、居酒屋と併設されたサウナや会員制サウナ、まるでホテルのようなサウナとバラエティに溢れていますよね。 でもそのサウナ、入りすぎは禁物です… 少し前に報告された論文ですが、 「Seminal and molecular evidence that sauna exposure affects human sperm...

培養室よりTwitterとInstagramはじめました!

こんにちは、培養室です。 4月より培養室のTwitterとInstagramのアカウントを作成いたしました! Twitterでは論文や文献のご紹介をメインに、 Instagramでは培養室の活動報告や培養室内の様子、アイスブレイクで銀座グルメ(個人的な趣味)を投稿していきます^^ 始めたばかりなので、コンセプトずれることもありますが大目に見てください┏○)) フォローしてくださると嬉しいです! Twitter → @kusuharalabo Instagram → @kusu...

子宮内膜症治療に新たな薬が出ました

従来、子宮内膜症(以下内膜症)にはピル(LEP)や黄体ホルモン(ディナゲスト・ジェノゲスト)やGn-RH agonist(ブセレリン)等がありました。その人の内膜症の進行度により使いわけます。 今回新たに加わったレルミナは、より強力な作用が期待でき、進行した内膜症の方に向いているかと思われます。 このように内膜症にはいろいろな薬剤がありその人にベストな薬剤を選択し、治療が効果をあげればより軽度な薬剤に切り替えていきます。 内膜症...

不妊症の人には子宮内膜症を合併している人が多い

通常、子宮内膜症は月経痛や慢性的な骨盤痛、性交痛を伴なうことが多い病気です。 さらに不妊症の原因にもなりやすく、子宮内膜症がある人の50%は不妊症になると言われています。 痛みの症状がある人は、早目に婦人科に受診し子宮内膜症があるかチェックしましょう。