不妊期間が1年以上で先に述べた精子検査や子宮卵管造影法(HSG)などの通常の一次検査を行っても明らかな不妊原因を見い出せない場合を原因不明不妊 unexplained infertilityといいます。
- 1)黄体化未破裂卵胞
(卵胞壁が破裂しないで、卵胞壁が黄体化しBBTは上昇し、あたかも排卵したようにみえる) - 2)軽度の子宮内膜症
- 3)軽度の卵管周囲癒着
- 4)卵管の卵あるいは胚の輸送障害
- 5)着床障害
- 6)精子の受精障害
- 7)卵子の活性化障害
などが挙げられます。
(日産婦会誌2013.6.5ガイドライン(案)より引用、一部改変)
腹腔鏡検査を行うと原因不明不妊の頻度は15~18%から10%未満に低下します。
つまり一次検査ではわからなかった微細な卵管周囲癒着や子宮内膜症が腹腔鏡で初めて診断されることになります。
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治療の原則
夫婦の性感染症の有無をチェックするためにあらかじめ妻のクラミジア検査、夫婦の梅毒検査、B型、C型肝炎ウィルス、エイズ検査を1回の採血で行います。
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人工授精法
排卵誘発剤(hMGなどの注射)を併用して、排卵の数を増やしての人工授精(IUI)は有効です。
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ART(体外受精、顕微授精)
女性が38歳以上の場合や、不妊期間が長い場合には早目のARTをおすすめします。