将来不妊症になりづらい身体のための、生活習慣についてご説明いたします。
アメリカ生殖医学会(ASRM)では、以下の4つの重要な不妊因子をあげています。逆にこれらを避ければ、不妊の予防にもなります。
予防可能な不妊の4つの要因 〜アメリカ生殖医学会(ASRM)による〜
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肥満(女性)
肥満になると血液中のインスリンが高まり、これが男性ホルモンの産生を亢進させます。その結果肥満女性では月経の異常(無排卵や無月経)が増えます。
食事療法・運動療法による体重減少では、理想体重にしなくても月経が改善されます。減量の目安=標準体重の5%以内 (身長160 cmなら 標準体重56kg+3kg)多のう胞性卵巣症候群(PCOS)では減量だけで、自然排卵が期待できます。
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肥満(男性)
肥満や高血圧、高脂血症などからなる生活習慣病の男性ではED(勃起障害)が80%に達するという報告があります。
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痩せている女性
未婚女性の無月経の30〜40%が体重減少(ダイエット)が原因といわれています。
急激な痩せ(体重減少)は女性ホルモン中枢の視床下部に障害をあたえます。
このような体重減少による無月経はかなり頑固で、その多くの方は妊娠するためにホルモン剤による排卵誘発を必要とします。
よって、過度なダイエットはとても危険です。
喫煙が男性の妊娠力に及ぼす影響
- ● 精子数:喫煙者≪非喫煙者(15〜24%)
- ● 喫煙者の受精能力
- ● タバコは男性の造精機能に悪影響を及ぼします。
- ● EDの発症リスクは40%高くなります。
喫煙が女性の妊娠力に及ぼす影響
- ● 喫煙は卵巣の老化を促進します。
- ● 喫煙者の体外受精の成功率は非喫煙者の約半分である。
- ● 受動喫煙による影響もある。体外受精の成功率は喫煙
する女性と同程度に低い。
クラミジアを中心とした性感染症が近年増加しています。
クラミジア感染症
クラミジアはおりものが多少増える程度で症状は軽いので、気がつかないことも多く、適切な治療が行われないことで、周囲に感染が広がる危険性があります。
多くのクラミジアは子宮の入り口にとどまっているが、時にクラミジアが「子宮→卵管→腹腔内」に拡大します。その結果、卵管の狭窄、閉塞など不妊の原因となります。
クラミジアはたとえ感染しても治療(薬の内服)で治せることがあります。
加齢による妊娠低下の原因
- ● 卵子の透過(染色体異常の増加など)
- ● 卵巣内の卵胞プール(残存卵胞)の減少
- ● 子宮機能の加齢の影響(子宮筋腫、内膜ポリープ)
高齢女性の場合
- ● 結婚して6カ月しても妊娠しない場合は検査をはじめた方がよいでしょう。
- ● 早期のステップアップの検討