不妊症の原因や治療を話す前に妊娠はどのように成立するかを理解する必要があります。
- 1）卵巣内の卵胞（卵の入った袋）の成熟
- 2）卵胞から卵の排出（排卵）
- 3）排卵時あるいはその周辺期の膣内への精子の侵入（射精）腟内に射出された精子は子宮下部から分泌される子宮頚粘液を泳いで子宮腔→卵管へと侵入します
- 4）卵巣から排出された卵は直ちに卵管の先端（卵管采）から卵管内にピックアップされ卵管の太い部分（膨大部）で精子と出会います。
- 5）精子が卵の内に一個だけ侵入し受精が成立します（受精）。
- 6）受精卵（胚）は細胞分裂（卵割）をくり返しながら子宮の方へ移送されます。
- 7）最終的には子宮腔内に到達し、子宮内膜に接合して（着床）、妊娠が成立つします。
すなわち、
という複雑な過程で初めて妊娠が成立するのです。
先に述べたように妊娠が成立するためには、排卵→受精→胚の移送→着床という複雑な過程を経るわけですがそのどの部分が障害されても妊娠は成立しません。ですから不妊原因も多岐にわたります。
将来妊娠に備えて、感染症やホルモン検査などを調べることができます。
異常が認められた際は、当院で保険診療にて治療を受けて頂くことも可能です。
検査項目
超音波検査
| 経腟超音波検査 | 膣内に細い超音波器具を入れて子宮、卵巣、骨盤内の診察をします。子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫などを診断できます。 |
|---|
感染症検査
| クラミジア 抗体検査 |
クラミジア感染症は若い女性に多く、自覚症状が出づらいのが特徴です。 卵管や腹腔内の炎症の原因となり、不妊症の原因となることもあります。 |
|---|---|
| 梅毒 | 近年感染が増えている感染症の一つです。母子感染の原因ともなる菌の一つです。 |
| 風疹抗体検査 |
妊娠初期に風疹に感染することで胎児への影響を及ぼすことがあります。 未然に検査を行うことで、予防接種を受けることができます。 |
| 淋菌 | 子宮内や膣の炎症の原因となることがあります。自覚症状が出づらい菌のひとつです。 |
| HIV検査 | HIV抗体がないかを血液検査で調べることができます。 |
ホルモン検査
| FSH、LH、 エストラジオール |
月経中のホルモン検査を行うことで月経不順や排卵障害など卵巣機能を知ることができます。 |
|---|---|
| プロラクチン | 月経不順や乳汁分泌の原因となるホルモンです。 |
| 抗ミュラー管ホルモン（AMH） | 卵子の数を採血検査で想定できます。 |
| 治療内容 | 保険自己負担額 | |
|---|---|---|
| 経腟超音波検査 | 3,300円 | |
| クラミジア抗体検査 | 3,960円 | |
| 梅毒 | 3,300円 | |
| 風疹抗体検査 | 4,620円 | |
| 淋菌 | ※淋菌だけの金額設定がないため、淋菌+クラミジアPCR検査の金額です |
4,950円 |
| HIV検査 | 2,200円 | |
| FSH.LH.E2 | 各2,200円 | |
| プロラクチン | 2,750円 | |
| AMH | 6,600円 | |